今度のロボットはおじいちゃん!?~映画「ロボジー」~

今度のロボットはおじいちゃん!?
~映画「ロボジー」~

今まで数多くのロボット映画が製作されてきましたが、中に人間が入ったロボットはいなかったのではないかと思います。しかもただの人間ではなくおじいちゃんなのです!そんな前代未聞のロボット映画「ロボジー」についてと、その出演者であるミッキー・カーチス、吉高由里子についてまとめました。

お勧め出演作「転々」

「転々」は、藤田宜永の小説を原作に、2007年に公開された映画です。監督はテレビドラマ「時効警察」シリーズの三木聡が担当しました。主演はオダギリジョーと三浦友和です。非常に深刻な背景を持つ物語なのですが、明るく淡々としたコメディ風味で綴られていて、観終ったあとにはとても温かな気持ちになれる映画です。「蛇にピアス」とは全く違う吉高由里子を観ることができます。

ストーリー(ネタバレ)

大学八年生の竹村文哉は、何をするでもなく毎日を過ごしており、いつの間にか80万円を超える借金を作っていました。借金取りの福原からは3日後までに全てを返済しろと言われていたのですが、そんなにすぐに大金が集まるはずもありません。返済が明日に迫った日、なぜか福原は文哉にある提案をしてきます。それは福原の東京散歩に付き合えというものでした。吉祥寺からスタートし、霞が関まで歩く東京散歩。付き合えば借金をチャラにするだけでなく、100万円の報酬までくれるというのです。胡散臭さを感じながらも、福原の提案に乗る文哉。井の頭公園から始まった東京散歩は、調布、下北沢、新宿、阿佐ヶ谷など様々な土地を転々と巡ります。実はこの散歩は、妻を殺してしまった福原が、桜田門の警視庁に自首しに行くための散歩だったのでした。幼いころに両親を亡くした文哉と、息子を早くに亡くした福原は、福原と妻の想い出の地を巡るうちに段々と心を通わせて行きます。散歩も4日目を迎えたころ、福原は昔夫婦役を一緒に演じた麻紀子の家を訪れます。そこに麻紀子の姪のふふみも加わり、4人はまるで家族のように数日間を過ごすのでした。温かい家庭に縁のなかった文哉の心にも、今まで味わったことのない感情が生まれはじめていました。一方そのころ、福原の妻が勤めていたスーパーでは、無断欠勤している福原の妻を、部長の国松や事務員の仙台、同僚の友部が心配していました。家まで様子を見に行こうと繰り出した3人でしたが、中々家を発見できずにいました。そんなことは知る由もない福原たち。ある日福原は、「今晩はカレーがいい」と麻紀子にリクエストします。カレーライスは福原が最後の晩餐に食べたいと言っていたメニューでした。つまりそれは、文哉と福原の散歩の終わりを意味していたのです。文哉はカレーを食べながら、溢れてくる涙をこらえきれないのでした。翌日、福原と文哉は霞ヶ関へと足を進めます。自首をとどめようとする文哉をよそに、福原はふっと警察の門をくぐり、消えていくのでした。

キャスト

  • 竹村文哉・・・オダギリジョー
  • 福原愛一郎・・・三浦友和
  • 麻紀子・・・小泉今日子
  • ふふみ・・・吉高由里子
  • 国松・・・若松了
  • 仙台・・・ふせえり
  • 友部・・・松重豊
  • 愛玉子店のおばさん・・・鷲尾真知子
  • 愛玉子店の息子・・・石原良純
  • 岸部一徳・・・岸部一徳
  • 鏑木・・・広田レオナ
  • ギターマン・・・ブラボー小松
  • 尚美・・・平岩紙
  • 石膏仮面・・・横山あきお
  • 多賀子・・・石井苗子
  • おばあさん・・・風見章子
  • たたみやのオヤジ・・・笹野高史
  • 福原の妻・・・宮田早苗
  • 三日月しずか・・・麻生久美子

スタッフ

  • 監督・脚本・・・三木聡
  • 原作・・・藤田宜永
  • 製作・・・辻畑秀生、宮崎恭一、大村正一郎
  • 音楽・・・坂口修
  • 撮影・・・谷川創平
  • 編集・・・髙橋信之
  • 配給・・・スタイルジャム
  • 制作プロダクション・・・葵プロモーション
  • プロデューサー・・・代情明彦、下橋伸明
  • エグゼクティブプロデューサー・・・甲斐真樹、國實瑞惠

感想

散歩が好きな人にお勧めの映画です。東京の色んなところを巡って行きます。借金の取り立て屋の福原は、金で若い男を漁っていた妻を殴ってしまい、そのはずみで妻は頭をぶつけて死んでしまいます。その贖罪のために妻との思い出の地を巡ながら、自主するために霞ヶ関を目指すと言う物語です。最初は福原はとても暴力的で、いかにもヤクザと言った風体なのです。散歩の相手に選ばれた大学生の文哉も、半信半疑でびくびくしながらついて行きます。ですが、2人で歩くうちに福原の妻に対する愛情がどれほど深かったのかというのが見えてきます。文哉も彼に対して父親のような何かを感じるようになり、麻紀子には母親を、ふふみには妹を感じて、段々と家族の温かさに笑顔が増えてきます。4人の食卓の風景はとても幸せで、理想の家族のようなのですが、これが偽物の家族というのが何とも切ないです。そして、文哉だけがこの旅の終わりが近いことを知っていて、カレーを食べながら思わず涙してしまうシーンには見ている私もうるっとさせられました。文哉を麻紀子の元に連れてきたのは、家族を知らない文哉に対する福原のプレゼントだったのかもしれないなと後から思いました。福原役の三浦友和さんがとにかく素晴らしく、淡々と静かに物語が進むなかで圧倒的な存在感がありました。また、ふふみ役の吉高由里子さんの演技も素晴らしいです。無邪気で元気なうるさい妹を好演していて、この映画を観て私は彼女のファンになりました。観ている間に、散歩がいつまでも終わらなければいいのにと願ってしまうほど、福原と文哉の関係は温かく、居心地のいいものでした。別れも告げず、さらりと自首してしまう福原の姿を見て、私も東京を歩いてみようかなと思いました。観終ったあとには、大切な人と散歩に行きたくなる映画でした。